槙生と朝の会話、朝の独白、そして静けさと間。
お互い初めての生き物と共に暮らしていくような感覚の中で、コミュニケーションもどう取って良いかわからず言葉少なに、まさに異国の人との生活を綴る日記を読ませてもらっているような、そんな風に思わせてくれる作品だと感じた。
恥ずかしながら原作未履修、前情報ほぼ無しの状態だったが、
1話序盤、朝のモノローグ
「私はひとり、違う国の女王の玉座の片隅で眠る。私の好きな夜。」
からのOPは、この作品が名作であり絶対に観るべきと確信できた瞬間だった。
なぜかは未だに自分でもよくわかってないが、どうもこの類の人間ドラマ的な作品が好みらしい。
うさぎドロップや、少し毛色は違うが甘々と稲妻などが大好きで、本作違国日記も本能的に嗅ぎつけたに違いないと思っている。
1話クライマックスの
槙生「あなたを愛せるかどうかもわからない。だけど私は決してあなたを踏みにじらない。それでよければ、明日も明後日もずっとうちに帰ってきなさい。たらい回しはなしだ!」
朝モノローグ「群れをはぐれた狼のような目で、私の天涯孤独の運命を退けた。」
このシーンの槙生の言葉は何とも不器用ながら愛があるのだろうと思った。
朝を一人残して逝った憎らしい姉と周囲の人間への怒りから勢いで放った言葉だが、それほどまでにたった15歳の少女を、朝を傷付け不幸にさせてはならないという思いが募った優しい人間なのだと思った。
そしてそれによって朝は、今の感情の整理さえままならなかった状態から希望を見出だせたのだと思うと胸が熱くなった。
2話では槙生の友人 醍醐奈々が登場し、1話とうってかわってコミカルなシーンも多かったが、親子でもない兄弟でもない友達でもない絶妙な年齢差である槙生・奈々と朝の関係は、朝にとってとても新鮮で心地のよいものに感じたのではないだろうか。
説教するでもなく、大人としての距離感で接することで、家族や友人とだけでは知り得ない世界・価値観を得られた。
良し悪しはさておき、ダメな大人を目の当たりにしたことで、朝にとっての大人というもののイメージを変えるきっかけとなったように思う。
どのシーンを取っても静けさと間が心地よく、無駄なものがないこの感じやっぱり好きだ。
今後2人の関係がどのように変わっていくのか、話の展開も含めて非常に気になるところだ。
毎クール今期はどの作品を観ようかと事前に放送作品一覧を眺めて当たりをつけるのだが、この作品についてはそのタイトルから何となく今流行の異世界ものだろうと何も調べずに視聴対象外にしていた。
しかし1話放送の直前、改めて一覧を眺めているとどうもキービジュアルが異世界ものでは無さそうだと気付き、公式HPに飛びあらすじを読むと異世界ファンタジーとは似ても似つかぬ、自分好みのリアルな作品であることを知り視聴を決めたのが大正解だった。
なお、メインキャラの高代槙生の声優が大好きな沢城みゆきさんであったことも視聴を決めた理由である。
沢城さんの槙生、ハマり役過ぎです。